高田川部屋

金星と三賞 - 歴代最多の金星十六と三賞を獲得。

 
一、寄り切り昭和63年9月 大乃国 幕内に入ったのは、昭和63年の春場所。それからわずか3場所目の九月場所で、大乃国から初の金星を獲得した。出し投げを繰り返す激しい攻防のすえに寄り切る、堂々たる取り組みであった。金星の記録は、ここから刻まれることになる。 二、上手投げ平成元年1月 千代の富士 立ち合い直後に、強烈な張り手を見舞う千代の富士。それをものともせず食らいつき、おっつけていく安芸ノ島だが、千代の富士に両前みつを取られる。そして、仕掛けられたのは下手投げ。耐えた安芸ノ島は上手投げで返し、勝利を収める。 三、上手投げ平成元年7月 千代の富士 素早い立ち合いから、差し手争いへ。投げを打つ千代の富士の攻めをかわし、左四つに組む安芸ノ島。その後、外掛けを仕掛けられるものの、重心を低くしたまま耐え、千代の富士が前に出てきたところで体を入れ替え上手投げ。
四、小手投げ平成元年7月 北勝海千秋楽に迎えた北勝海との取り組みは、立ち合い後に両前みつを取られ、もろ差しに近い不利な展開から始まった。まわしに手をかけられない状態のまま粘る安芸ノ島は、得意のおっつけで機を窺う。最後は、腰の入った小手投げで勝利。 五、下手投げ平成元年9月 大乃国大乃国は、その恵まれた体躯を生かして安芸ノ島を苦しめる。下から支えるように大乃国に接する安芸ノ島は、おっつけながら体勢をととのえていく。長い相撲のあと、大乃国が組み手を変えた瞬間、すかさず下手投げを決める。 六、寄り切り平成元年9月 北勝海立ち合いと同時に、強烈な当たりでぶつかりあった北勝海との一番。互いにいなし合いと差し合いを繰り返しながら、得意な体勢を狙う。退くことのない攻防のなか、もろ差しとなった安芸ノ島が前へ出て、そのまま寄り切る。
七、突き落とし平成元年9月 大乃国大乃国は、その恵まれた体躯を生かして安芸ノ島を苦しめる。下から支えるように大乃国に接する安芸ノ島は、おっつけながら体勢をととのえていく。長い相撲のあと、大乃国が組み手を変えた瞬間、すかさず下手投げを決める。 八、上手投げ平成2年3月 千代の富士前日、北勝海に勝った安芸ノ島が、連続で金星を得ることになった千代の富士戦。立ち合い後に左を取った安芸ノ島は、左四つ・右上手の体勢に持ち込む。そして、最後は千代の富士と投げの打ち合い。安芸ノ島の上手投げが決まった。
九、寄り切り平成2年5月 千代の富士立ち合い直後に千代の富士からはたき込まれるが、素早く柔軟な反応で耐える安芸ノ島。がっちりと自分の体勢に持ち込み、おっつけながら寄り切った。この五月場所では、殊勲賞と技能賞を同時に受賞。続く七月場所では再び関脇になった。
十、寄り切り平成2年11月 旭富士2場所連続優勝を果たし、九月場所から新横綱となった旭富士との一番。立ち合い直後、強い突っ張りをもらった安芸ノ島だったが、臆することなく胸を合わせる。そのまま、十分な体勢で寄り切る。NHKの中継では「圧勝」と伝えられた。 十一、突き落とし平成2年11月 北勝海20連勝中という絶好調の北勝海を相手に、安芸ノ島は真正面から向かっていった。立ち合い直後に、ガツンと両力士の頭がぶつかり合う音が場内に響きわたる。それから体を入れ替え、突き落としによって北勝海の連勝を止めた。 十二、引き落とし平成3年3月 旭富士強烈な突っ張りを連続で放つ旭富士。安芸ノ島は顔は背けることなく向き合うものの、後退を余儀なくされる。そして、土俵際を回り込みながら、前へ出続けた旭富士の体勢を崩す。最後は、引き落としで旭富士に手をつかせた。
十三、肩透かし平成3年5月 旭富士金星獲得数の新記録がかかった11日目。相手は、連勝を続け優勝を狙う旭富士。安芸ノ島はしつこく食いつき、仕掛けられた上手投げに対して絶妙な肩透かしを合わせた。この場所で優勝した旭富士にとって、唯一の黒星であった。 十四、寄り切り平成4年1月 旭富士旭富士との対戦。立ち合いと同時にガツンとぶつかりあったのち、差し手争いになる。左手でしっかりとまわしを掴んだ安芸ノ島は、そのまま十分な体勢に持ち込む。腰を落としながら相手を浮かし、理想的な寄り切りを見せた。 十五、引き落とし平成5年7月 曙平成5年三月場所で右上腕二頭筋を部分断裂した安芸ノ島は、続く五月場所を休場。不屈の精神で上がった七月場所の土俵では、12連勝目を狙う曙から金星を得た。張った曙に対して、がっちりと組み付いたのちに引き落とし。体捌きが光った。
十六、上手出し投げ 平成11年7月 武蔵丸新横綱となった武蔵丸が相手。立ち合いからおっつけていった安芸乃島は、歴代の横綱で最重量であった武蔵丸を慎重に崩し、出し投げを繰り出していく。最後は上手出し投げ。対戦したすべての横綱から、金星を獲得することになった。  

 

■昭和63年7月 敢闘賞 ■昭和63年9月 殊勲賞 ■平成元年3月 敢闘賞
■平成2年3月 殊勲賞 ■平成2年5月 殊勲賞・技能賞 ■平成2年7月 敢闘賞
■平成2年11月 殊勲賞 ■平成3年5月 敢闘賞 ■平成4年3月 殊勲賞・敢闘賞
■平成5年7月 殊勲賞
■平成7年1月 敢闘賞
■平成7年3月 敢闘賞
■平成10年5月 技能賞
■平成11年1月 技能賞
■平成11年3月 殊勲賞 ■平成11年9月 敢闘賞・技能賞  
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