暑い日々が続く中、高田川部屋の力士達は 稽古に励んでおります。 今日も前回の続きで立ち合った後、 自分の得意の型にするための前さばきについて。 まず、相撲のタイプを大まかに分けると 四つ相撲と押し相撲があります。 この両タイプの力士が対戦した場合、 立ち合った瞬間からお互いが自分の間合いにしようとします。 まず押し相撲の力士は距離を取りたいわけです。 距離が密着すると相手得意の四つに持ち込まれてしまうし、 こちらも押すことができないからです。 対して四つ相撲の力士は得意の差し手を入れて 廻しを取り、密着したい。 このお互いの思惑から前さばきが生まれます。 四つ相撲は押し相撲が突っ張る腕を 下から下から跳ね上げて廻しを取りにいく。 または差し手を固めて相手の脇の下に 腕を差しにいきます。 これを押し相撲は差されそうになった腕を 脇を締めて絞り上げる。 これを「おっつけ」といいます。 おっつけられた四つ相撲は 一旦横にそれて相手の体を泳がそうとします。これを「いなす」といいます。 いなして上手を取れればいいですが、 相手もそのいなしに体を泳がせないように着いてきます。 こういった息詰まるような応酬の末に 得意の型に持ち込めた力士が勝利できるのです。 この立ち合い~前さばきの応酬は 相撲の一番の見所と言っても過言ではないのではないでしょうか。 次回は四つ相撲同士の対戦の場合、 どういう前さばきの応酬になるかについて説明します。 わかりづらいと思いますが、 今日の説明を恵比寿丸と勝武士に実演してもらいました。