今場所はここまで2勝3敗です。
負けが先行してますが、
前を見据えてコツコツやるしかないと思いますので、
しっかりと残り2番良い相撲を取りたいと思います。
さて頂いた質問、何故離職者は協会に復帰できないのか。
何故力士は部屋を移籍できないのか。
はっきり言ってこの問いに明確な答えはないと思います。
1度師匠を親代わりと思い入門したからには師匠を
親、先輩後輩は本当の兄弟のように家族として暮らします。
僕にも7歳年下の実の弟がいます。
僕が入門したのが16歳、弟は9歳の時でしたので
一緒に暮らしたのは9年間しかありません。
しかし僕が入門して現在で12年。
年が近い兄弟弟子と暮らした年数は実弟と暮らした年数を越えています。
ですから実弟も、兄弟弟子も、どちらも大切な兄弟なのです。
それを突然移籍して違う家で暮らすというのは難しいのではないでしょうか。
師匠にしてみても僕が入門時の師匠は元・前乃山関であり、
当時の師匠が定年後にどうなるか等考えもしませんでした。
そこに現在の師匠、元・安芸乃島関が移籍し、部屋を継承し、
現在の師匠になったのも人間の不思議な縁、運命だと思います。
この世界で飯が食べれるのは師匠のお陰です。
日本人古来の考えに「一宿一飯の恩義」とあるように、
師匠や兄弟弟子から受けた恩は忘れられない、
必ず恩返ししなくてはならないという考え方が力士にはあります。
スポーツという面で考えれば、移籍や再雇用があってもいいかもしれませんが、
相撲は武道であり、男を磨く世界です。
義理人情を忘れない、男の中の男に少しでも近づくためにも、
家族である部屋を裏切るわけにはいかないのです。
少し話がややこしくなってしまいましたが明確な答えがない中で、
このような答えになってしまいました。ご理解下さい。
残り1週間、精一杯頑張ります。
写真は現在の佐田の海関の父である、元小結・佐田の海関です。
現在経営しているお店が宿舎と近い事もあり、
稽古指導や昔話などお世話になってます。
男の中の男の在り方を勉強させてもらっています。