大阪場所は2ー5でした。強い心を持って、初心に立ち返って稽古します。 来場所こそは!という思いで頑張ります。 さて、前回からの続きでさがりについて。 今回は関取衆のさがりを作る過程を紹介します。 関取衆のさがりは締め込みを織っている物と 同じ絹の糸を無数の束にして1本になっています。 まず先場所使ったさがりを熱湯に浸して糊を溶かし、糸の束に戻します。 これを乾かしてから糸に櫛をかけて下準備完了です。
次に作成です。 まずは糊の用意から。糊は海藻が原料の布海苔を使います。 この布海苔を熱湯で溶かしてから濾すと糊ができます。
この糊をさがりの糸の束に丁寧に塗り込んでいきます。 この時にしっかり中まで糊が塗れていないとすぐに折れたり、 糸が解れてしまってピンと張ったさがりが出来ません。 丁寧に、慎重に塗り込んでいきます。
1本を先まで塗り終えると余分な糊をおとして形を整え、 最後に先っぽを親指で抑えて形を作ります。 これを全てで13本分作って、1つのさがりが出来ます。 さがりは締め込み1本に対して2つあり、 本場所の前半と後半で分けて使います。
こうして糊を張ったさがりを2日ほど乾かすとカチカチに固まります。 最後に固まったさがりの先端をハサミで丸く切って完成です。
この作業は場所前に必ず行い、付き人達は関取が怪我をしないように、 勝ち越せるようにと、願いと思いを込めて作ります。 今場所は少し付き人達の思いが足らなかったのかも(笑) 反省して来場所もまた精一杯、輝関をサポートしたいと思います。